なんやかんやと装備をそろえていざ実践。
教習所にいき、配車手続き(バイク乗るチケットをもらう)をして、二輪教習者待機場所へ。
誰もいない。
ぼけーっと待ってると、教官が来る。
40代ぐらいの、電機屋の営業にいそうな人。
で、最初はプロテクターの説明。
肘、膝、胴体、とつける。年季が入っているのかすごいぶかぶか。
ヘルメットは付けず、実際のバイクを前にいろいろ説明を受ける。
ここで気づいたけど、自分の他に誰もいない。一人でマンツーマン教習。
「原付乗ったことある? 免許は? 自転車は?」
みたいな確認。
原付乗ったことないし、免許がAT限定だからクラッチわからんです、と答える。
ゲーセンでも乗ったことないし……しいて言うならファミコンのマッハライダーですかね!
とはもちろん言わなかったけど、ド素人だというのは伝わった。
教官が「それじゃあ、実際見てみようか」という感じでバイクをずるずる引いてくる。
これはこうこうこういうバイクです、的な説明はなかったけど、一応事前知識で調べたもののようだった。
ホンダのCB400SF。あおいやつ。重さは200㎏ぐらいあるらしい。
それを前にあーだこーだ説明される。
バイクの説明は箇条書きにするとこんなかんじ。
・左手がクラッチ、ウィンカー、クラクション
・右手がアクセルと前輪ブレーキ、エンジンスターター
・左足がシフトチェンジ
・右足がリアブレーキ
両手両足を使う。
一応教本をパラ見してたので、クラッチがどういうものかは知ってる。
続いてセンタースタンド、サイドスタンド、引き起こしに挑戦。
センタースタンドが結構ムズイ。引き起こしはまあ、普通に力でなんとかなった。
センタースタンドで浮いた状態で乗り、エンジン始動、ギアチェンジ、クラッチ、アクセル辺りの遊び部分を確かめる。
まあ、よくわからんけど、よくわからんというのがよくわかる。
アクセルの握り加減がわからず、「ブォォォン! ブォォォォン!」と暴走族みたいにふかしてしまう。1000~2000回転が目安っていわれてもわからんって。
まあ、四輪のときも教習車はブレーキやアクセルの効きがやたらと強かった記憶があるから、そういうもんなんだろう、と思って適当に流す。
四輪は教習が苦痛で苦痛で、教習所卒業して初めて車乗った時はその簡単さに感動したものです。というか公道が楽。
その後、教習所内のコースに出て、言われた通りエンジンをかけて、ギアをローにいれて、出発。
エンストとかはしなかったけど、ギアチェンジの時にクラッチを握らなかったため、注意を受ける。
あー、確かに……。チャリでも漕ぎながらギアチェンジはしないもんなぁ。
とか理解しつつ、外周をぐるぐる回る。
1時間目はこれで終了。
走行中は安定するけど、発進停止がおぼつかない。
まあ、こんなもんでしょ、ということで、1時間目はハンコをもらって終了。
2時間目は引き続き同じところ。外周ぐるぐる。
教官はおじいさんだった。なんか白バイ乗ってそうな人。少し聞いたら牛乳配達で小学校のころから原付乗り回してたとか、いやそれ言っちゃダメなやつ。
1時間目同様、発進停止がおぼつかない。
特に停止時の、
ブレーキかけて、減速して、シフトダウンして、クラッチ握って、ブレーキで停止して、左足を出す
という一連の動作ができない。
低速になればなるほど安定性がなくなるため、安定性を保ちつつゆっくり停止のための手順をすると停止距離が非常に長くなる。注意を受けるが、頭が追い付いてないのでうまくいかない。
で、アクセルの開け方も雑な感じなので、走りだしてすぐ止まる、ができない。
コースの端で練習するも、アクセルを弱くするとエンストし、強くするとガックン加速し、停止時も強くブレーキかけるとコケて、弱くかけるとのろのろと止まれずに停止位置をオーバーする、という、へたっぴ運転を繰り広げる。
いやね、わかってるんだよ。頭の中ではな。でも両手足が動かない。一つ一つ頭の中で原因を整理するも、教官が先に行ってしまうので後から追いかけるのに必死になる。
そしてそのまま2時間目はハンコをもらえず、補習に。
ぐえー。
そして、家に帰って教本読みながらイメトレ。
アクセルが雑なのと、クラッチの扱いが適当なのが問題。
なにが問題かというと、クラッチを握らないとギアチェンジできない、という頭が先行して、クラッチ握ったままギアチェンジして、握ったままブレーキングして停止していたのが問題、だと思った。
クラッチを握ると動力が伝わらずにフラフラになるので、完全に握るのは停止直前。
アクセルが雑なのはまあ、気にしない、というのが一番。実物以外で練習できないし、よほど強く回さなきゃ振り落とされないので、気にしすぎて弱くしてしまうのが一番ダメ。強気。
そして再度2時間目補習。
教官は週末とか釣りに行ってそうなハマちゃんっぽい教官。
イメトレ通りに運転できたとは言えんけど、特に停止がうまくできるようになったのでハンコをもらう。
途中止まれずに、「ちょっとどこいくのー!」みたいに言われたけど止まれないんだからしょうがないじゃんね。素直に謝りました。車体が曲がってたせいでフラフラして止まれなかったのが原因。
背骨が曲がってて姿勢も曲がってて性根も曲がってるからな。しょうがないね。
クラッチの加減は大丈夫だけど、アクセルの加減が難しすぎる。教習所では急激に加速する場面なんてあんまないんだから、もう少しひねりに対する加速度の幅をゆるくしてくれてもいいんじゃないのか。これもあれか、教習車独特の仕様なのか。
とか文句をCB400SFに吐き出しつつ、バイクから降りて、左足が痛いな、と思ったらシフトペダルを強く蹴り上げすぎたようで、後で確認したら左足の甲が少し赤くなっていた。力みすぎやつ~。私です。
スニーカーだとちょうどペダルに当たる部分がメッシュになっててうまくチェンジできないな、なんて思ったので、教習所でスマホいじってアマゾンでブーツを購入。うん、これでいけるやろ。
3時間目。
丁寧な感じの教官だった。
「あれ、補習受けたんですね、難しかった?」
みたいなことを教官に言われる。ここまで全部違う教官なので、私がどんな輩なのかはたぶん未知なのだろう。
クラッチがよくわからなくて……アクセルも、なんか同じように回してるのにすごい加速するときとしないときがあって、などと「なにもしてないのにパソコンが壊れた」級の言い訳をすると、ここで教官が衝撃の発言をする。
「あー、たぶんそれ、教習車が違うからだね。何号車か覚えてる? クラッチの加減とか、アクセルの加減、番号によって少し違うんだよ」
ΩΩΩ < な、なんだってー!!!
まあ、考えれば当たり前なことだけど、確かにそうか。うんそうだな。うまく乗れないのは自分のせいではない、CB400SFのせいだ。
3時間目の教官は不思議な人で、タンデム走行でスラロームの限界に挑戦したり、私がS字に挑戦している間に教官は一人8の字で延々ぐるぐる回ってたりと、自由だった。自由すぎる。
3時間目にやったのは外周、S字、クランク、踏切、障害物、8の字。
アクセルワークが苦手なだけなので、一定速度で切り抜けられるこれらは別に苦手意識もなく難なくこなす。8の字は一回コケたけど、まるでできないわけではない。
S字やクランク、右左折時は半クラッチが基本ですよ、なんて説明を受けてその通りにやっていた。確かに曲がりやすい。
「上手ですね、だいぶ慣れたかな」なんてお世辞ももらってハンコももらう。
3時間目はすこぶる順調だった。教官との相性もあるのかもしれない。
4時間目。
牛乳配達のおじいさん教官。
前回の復習と、一本橋、スラローム。
クランク~S字~と前回同様やると、「もう少しアクセル回した方がいいかな。バランスが悪い」と注意を受ける。確かに出口付近でふらつく。
そしてまあなんとかOKをもらって一本橋へ。
事前情報で仕入れた知識だと、一本橋はあまたの教習生の卒検代をせしめる悪代官的ポジションだと理解していたので正直ビビってたけど、やってみると案外簡単だった。
1回目だけ失敗し、2回目、3回目、4回目……と成功。
ドヤ! と教官のほうを見ると「じゃあ次はスラロームで」と普通に流された。
うん、まあ、普通にうまい人はこのぐらい普通にやるものか。
そしてスラローム。
ここでアクセルワークの洗礼を受ける。
倒すのは問題ないんだけど、アクセルが回すのが遅いため立て直す前に次のパイロンが迫ってくる。
そのため、
アクセル回してパイロン通過→次はアクセルが間に合わないのでそのまま惰性で通過→アクセル回してパイロン通過
みたいな飛び飛びアクセルワークになってしまう。
「アクセルもっと早く。そして短く。クラッチに頼らない。ブレーキも踏まない」
と注意を受けてその通りやる……が、今度はスピードつきすぎて思いっきりパイロンをぶっ飛ばす。
「加速しすぎたらリアブレーキ。バランスよくやって」
む、むずかしくね……?
結局4時間目はスラロームで捕まり、補習直行。
ぐわー。
教官曰く、
「アクセルを使わないから小回りが利かない。低速走行時でもアクセルはきちんと回して」
なるほど。いや、わかるよ。わかるんだけど、アクセル回すとブォォンン!しちゃう人間なもんで。
イメトレ……イメトレ……。
で、4時間目補習。
新しい教官。なんだろう。自治会の会長の友達ポジションみたいなおじいさん。手に職めっちゃもってるタイプ。
補習を受けたことを伝えると、まずは口頭で説明。次にアクセルがわからんと伝えたらセンタースタンドでアクセルの練習。
すごい丁寧なんだけど、ぶっちゃけ、乗った状態じゃないと練習にならない、ということだけがわかった。
そりゃアクセルだけに集中すりゃできますよ。問題なのは、乗っている状態で、パイロンが差し迫っている状態で、切り返しとアクセルワークが同時にできないのが問題で……。
人によるだろうけど、自分の場合はとにかく実践したほうが身につくタイプな感じだった。
この時間もあまりうまくできず補習。
ぐえー。
4時間目再補習。
牛乳配達おじいさん教官。
「じゃあ、今日はとことんスラロームやりましょう」
よしきた任せろ。頭空っぽにして夢詰め込んでとにかくアクセル。
ハンドルもフルで曲げる。とにかく大げさにやる。
するとどうだろう。
普通にぶつかる。
やっぱり難しい。
でもまあ、アクセルを短く開けるのがうまくできるようになったので、不格好でも通過はできるようになった。
一番の問題は「アクセルを回している時間が長すぎて、直進距離が長い」ということだったようだ。
さすがに3時間もやればそれなりにできるもんで、ハンコをもらえた。
5時間目。シミュレータ。
教習生は自分一人しかいない。というか二輪受けている人を全然見ない。
教官はまた新しい教官で、30代ぐらいの教官。元ヤンな雰囲気。
シミュレータは悪路や風の影響、速度とカーブの関係などをシミュレーションする。
人によっては酔うらしいけど、そんなことは全然ない。
ゲームでもあまり酔わないタイプなので、これ系は得意だった。
ちなみにゲームで酔ったのはオメガブーストというゲーム。あれはまじでやばい。
ついでに急ブレーキも体験して、終了。
個人的にはシミュレータ用のPCのOSがXPなのと、操作性の悪いUIばかり目がいってた。
なんだあの初心者がVBで作りましたといわんばかりのデフォルトボタンと画面は……。
その後は時間が余ってたので、教官が小話。
(本来は3人ぐらいの教習生がかわるがわるやるので、一人だと時間がすごい余る)
以下とりとめもない抜粋。
「ここの教習所の二輪は結構有名で、いろんなとこからうわさを聞きつけて来る人がいるみたいなんだよ」
「そうなんですか」
「この前も転校してきた人がいてね。20代ぐらいの若い兄ちゃんだったけど、礼儀正しくてすぐ卒業してったよ」
「でも、あまり二輪受けてる人いないようですけど……。今日も一人ですし」
「うーん、今日はね。普段はもっといるよ」
(といっても結局シミュレータは全部ひとりだった)
「高齢者の人ときどき見ますけど、結構来てるんですか?」
「いるよ。高齢者教習の人とか、定年退職したあとにレクサスに乗りたいから、って免許取る人」
「ベンツとかBMWとか乗る人たちですか」
「いやいや、おじいさん辺りにはあくまでも日本のセダン車が人気なんだよね。今はレクサスだけど、昔はクラウン。聞いたことない?」
「あー、あー……聞いたことあります」
「それでねー、その世代って、MT車が基本だからってMT免許取るんだけど、これがまた教えるのが難しくて……」
「レクサスってMTなんですか?」
「いや、ATしかないんだよ」
「じゃあAT限定でいいじゃないですか」
「そう勧めるんだけど、こればっかりはね。男でAT限定は恥、みたいな」
「あぁ……ありますね、そういう空気」
「でしょー? ま、教習所的には補習代で儲かるからいいんだけど」
「そうそう、高齢者で言えば、この前すごい人がいて」
「どんな人ですか?」
「ペーパードライバー講習だったんだけど、その人、左足でブレーキ踏んで右足でアクセル踏むのね」
「左足ブレーキ……」
「そのことを指摘したら『俺は教習所でこう習った』っていうのね」
「そういうところもあるんですか? 普通に右足でブレーキ踏め、言われましたけど」
「いや、ないよ。教習所は日本全国右足ブレーキ。たぶんクラッチと間違えてるんじゃないかなーなんて思うんだけど、俺は怖い、と思ったね。左足ブレーキならまだましだけど、事故ったときに間違った操作方法をそうやって習ったって教習所のせいにされるんだから」
「怖いですね……」
「バイクなにのるか決めた?」
「あー、通勤で使いたいので、あまり大きいのはちょっと。250㏄のNinjaとかVTR?とかですかね」
「有名どころだねー。Ninjaとか見た目いかついけど、結構乗りやすいよ」
「そうみたいですね。ネットで調べると結構評判良いみたいで」
「でも乗ってるとそのうち大型乗りたくなるよ」
「そうなんですか? 四輪もそうなんですけど、あんまり大きいのって好きじゃないんですよ」
「ツーリングとかいくと、やっぱりナナハンとか大きいの乗ってる人がいるから、そういうのを見ると乗りたくなるんだよ」
「ほー、そうなんですか」
みたいな話をつらつら。他の教官も結構な頻度で大型を勧めてくる。やっぱりバイク好きな人は大型乗りたくなるのね。それとも大型の教習受けろってことなのか。
個人的にバイクの魅力は四輪と比べて脇道小道が通りやすいのと、初期費用と維持費が安いのなので、大型だと魅力が薄れる……んだけど、乗ってると乗りたくなるもんなんですかね。
他、いろいろバイクについて聞く。
125ccの乗りやすいやつとか、400ccでもサイズ感が小さいやつとか。
思ったのは、国内で新車で買えるのってそう種類が多くなくて、かつ乗りやすい(乗り出し価格が手ごろで、国産=修理用パーツが手にはいりやすい)のは数種類というのがわかった。
あとネットで中古の評判を聞いてたので、(中古はギャンブル。特に車検のない250以下)新車を買うことを言ったら「確かに新車が無難かもね。傷つけちゃうから中古ーって人もいるけど、コケるのは誰でもやるし、そんなの気にしてたら乗れないからね」とのこと。
6時間7時間は全部のコースを練習。
牛乳配達おじいさん教官。この人多いな。予約時の操作ミスで指名しちゃってるのかと思うレベル。
もう慣れてるので別段問題もなく。
たまにエンストしたりコケたりするけど、教官も何も言わない。
クラッチに頼りすぎない、アクセルを回せ、とだけ言われる。
8時間目はAT。
教官は1時間目の電機屋営業っぽい人。
「原付乗ったことある?」
「ないです」
「んじゃ、説明からするね」
そんな流れで400㏄のAT車をずるずる引っ張ってくる。
で、でかい……。これがビッグスクーターか。
事前に調べた情報と見た目で察するに、スズキのスカイウェイブ。
1時間目と一緒でスタンドだしたり引き起こしたり。
実際乗るとわかるけど、前輪周りが全く見えず、恐怖を感じる。
といっても基本は一緒なので、そのまま押してコースへ。
S字や踏切、坂道辺りを走り、スラロームや一本橋はやらなかった。
3時間目あたりの教官が「四輪と違って、二輪はMTのほうが乗りやすいよ」とか言ってたけど、正直どっちも変わらんじゃね? とか思った。たしかにでかいから曲がりづらいのはあるけど、別に曲がれないわけじゃないし。
というよりも、教官が乗ってた小型二輪(125㏄、おそらくスズキのアドレスV125)のほうが乗りたかった……。ビッグスクーターは乗るつもりはないけど、小型二輪は乗るかもしれないし。便利そうだから。
まあ、免許が普通二輪だからしょうがないけど。
9時間目は見極め。
会長の友人ポジ教官。
適当にすいすいこなす。そりゃ3時間も補習してますからね。
少し8の字でヘマをやるも、ハンコをもらう。
教官曰く
「8の字は卒検でやらないから。それにここの8の字狭いし。でもバイクの基本だから、できるように頑張ってね」
少し苦手だったので(特に左回り)、安心する。
無事二段階へ。